Case Studies

社内システムクラウド移行

クラウドベンダーに前例が無いシステム組み合わせも移行成功


運用中のオンプレミス社内システムを顧客業務を止めずにスムーズなクラウド移行を実現

InfiniCoreはお客様の既存環境における課題を可視化し、 特定した課題に対して最適なソリューションを提供します。

Goal

目指した姿

・社内システムをクラウドへ移行

・運用を含めクラウドで実施

お客様が実現したかったこと

お客様は、従来オンプレミス環境にて運用してきた社内システムについて、時代の変化や企業の成長に合わせたIT戦略の見直しを進めておられました。特に、業務の効率化やビジネス環境の変化への迅速な対応、災害対策やセキュリティ強化など、多様な観点から現状のITインフラを再考し、クラウド環境への全面的な移行を希望されていました。

社内システムのクラウド移行にあたっては、既存業務を継続しながらサービス停止や影響を最小限に抑え、スムーズな移行作業を実現することが重視されました。具体的には、会計、販売管理、情報共有、ワークフロー管理等、企業内で重要な役割を果たす各種業務システムについて、クラウド基盤へ移行することで、最新技術の導入やシステム間連携の強化を図り、業務プロセス全体の最適化を目指していました。あわせて、従来は複数のサーバやストレージ、バックアップシステムに分散していた管理コストやリソースの最適活用もご要望のひとつでした。

さらに、クラウド移行後の運用面にも大きな関心を持たれており、従来社内IT担当者による管理運用から、クラウドベンダーや運用委託サービスを活用した効率的かつ高度な運用管理体制への転換を希望されていました。これにより、日々の運用業務や障害対応、セキュリティパッチの適用などを専門サービスによる自動化や省力化で実施し、人手や時間を大幅に削減することが期待されていました。

加えて、クラウド環境ならではの特長である、柔軟なリソース拡張や縮小、迅速なシステム追加・変更、多拠点からのアクセスや災害発生時のリカバリ対応など、さまざまなメリットも高く評価されていました。これらの魅力を最大限に活用することで、今後の事業展開や新規プロジェクトにもスピーディに対応でき、IT部門のみならず、全社的な競争力強化へとつなげることを期待されていました。

このように、お客様は「社内システムのクラウド移行」と「クラウド上での運用体制の確立」によって、ITインフラを現代的かつ柔軟な形へ再構築し、日々の業務品質や安定性、将来の企業成長に対応できるIT基盤の実現を強く望まれていました。

Challenge

実現に向けた課題

最大の課題として挙げられたのは、オンプレミス環境で現在稼働している社内システムを、停止することなくクラウドへ移行するという点でした。お客様は業務を日常的に運用しているため、システム停止や機能不全が生じることは事業に甚大な影響を及ぼします。そのため、システム移行の際には、従来通りの業務継続を強く求められていました。移行プロセスの初期段階から、お客様の具体的な業務フローや利用状況を詳細にヒアリングし、現場で求められるタイミングや取り扱いデータ、システム間の依存関係などを精緻に把握することが不可欠でした。それに基づき、段階的な移行手順の策定や、業務への影響を最小限にとどめるためのリスク管理、万が一トラブルが生じた際の即時対応体制の構築など、きめ細かな計画と準備が求められる状況でした。

加えて、今回のクラウド移行プロジェクトでは、導入を検討しているシステム構成が、クラウドベンダー側でも過去に事例のない特殊な組み合わせであった点も大きな課題となりました。一般的に分離して利用されることが多いアプリケーションやデータベースを共存させる必要があったほか、独自のネットワーク構成やアクセス制御、またデータ連携やセキュリティ要件においても複雑な条件を満たす必要がありました。こうした独自要件に対応するためには、クラウド上での互換性やパフォーマンスに対して十分な検証が不可欠であり、単純な移行作業だけでなく、新しい構成や運用方法に関する詳細なテストや調整作業が求められました。

さらに、未知の組み合わせによる技術的なボトルネックや、パフォーマンス劣化、セキュリティホール発生などのリスクも慎重に評価して対策を講じる必要がありました。クラウドベンダーや各ベンダーのサポートチームと密に連携しながら、新しい環境で安定した動作を実現するための技術調整や構成変更を繰り返し実施するなど、従来のノウハウだけでは解決できない領域にも積極的に挑戦する姿勢が求められるプロジェクトとなりました。

このように、本プロジェクトの成功には、業務継続を前提とした緻密な移行計画の策定や、これまでにないシステム構成への対応力、技術的課題に対する柔軟な検証・調整・チーム連携の実現が不可欠でした。

稼働中システムの移行

オンプレミス環境で稼働中の社内システムをクラウドへ移行する際、最も大きな課題となったのが業務停止リスクの回避だった。システムダウンやパフォーマンス低下が業務に与える影響が大きかったため、事前にIT部門や業務担当者へのヒアリングを実施し、現行運用や要望を把握した上で移行戦略を策定する必要があった。加えて、移行時のトラブル対応や切り戻し策も準備し、影響を最小限に抑えられるよう対応した。

前例の無い組み合わせ

クラウドベンダーでも前例のないシステム構成が必要となった。通常は共存しないアプリケーションやデータベース、複雑なネットワーク設定など、独自の要件への対応が求められたため、互換性やパフォーマンスの検証が課題となり、追加のテストや調整作業が不可欠だった。

Solution

InfiniCoreによるソリューション

先行して移行するシステムの詳細な検討を通してプロジェクトに参画し、はじめに全体方針や移行スケジュールなどの枠組みを整理したうえで、対象システムごとに個別の移行手順や方法を細部まで具体的に策定した。特に、前例がないシステム組み合わせに対応するため、既存の設計や運用ノウハウに捉われず、柔軟な視点で設計方針や運用ルールの調整を行った。これにより各種アプリケーションやデータベース間の連携仕様、複雑なネットワーク設定まで含めた移行計画を段階的に明確化し、検証や作業工程を体系化することに繋げた。

移行前には十分な事前検証を徹底し、検証環境を用いて複数回の試験を実施した。各種試験では、技術的な制約や障害リスクの洗い出しを行い、その都度調整や最適化を重ねることで、これまでにはないシステム構成下でも安定したパフォーマンスと互換性の確保に努めた。たとえば、ネットワークトラフィックの挙動やデータ同期処理のタイミング、アプリケーション同士の疎通テストなど、多角的な検証項目を設定し、想定外の挙動や不具合に対しては技術的な修正策を迅速に適用した。また、得られた検証結果は関係部門とも共有し、品質保証や運用面の課題にも対応できるよう体制整備を進めた。

クラウドベンダーとの緊密な連携を図りながらプロジェクトを進めた点も成果に結びついた重要な要素となった。様々な疑問点や技術的な問題が発生した際には随時情報共有を行い、ベンダーの専門技術者と協力して原因究明や解決策の検討の場を設けた。新規構成要素や複雑な要件に対しても技術資料の参照や経験知の活用を通じて共同で課題解決を進めることができた。定例ミーティングやチャットによる頻繁な連絡を活用し、移行イメージや作業手順の擦り合わせを継続的に実施したことで、具体的な移行プロセスやリスク管理策がより明確になった。

こうした一連の取り組みによって、先行移行したシステムでは従来にない複雑な要件下でも安定した運用が可能となり、技術的な不安要素も徐々に払拭された。さらに、そこで蓄積した移行ノウハウや検証結果は後続するシステムの移行計画の策定に直接活用できたため、プロジェクト全体としても円滑かつ確実な進行が実現した。全体を通じて、課題対応やベンダー連携を通じたナレッジ共有が移行の成功に大きく寄与した。

移行プロセスの明確化

システムごとに具体的で詳細な移行手順や方法を策定し、プロジェクト全体の工程管理を徹底した。複雑な要件については事前に課題を洗い出し、必要な調整や対応策を準備したことで、万が一のトラブルにも柔軟に対処できる体制を構築した。これにより、プロジェクトメンバー間の認識を統一し、円滑な作業進行につなげることができた。

徹底的な検証の実施

移行前には、検証環境で何度も試験を重ねて、想定外の挙動や不具合を事前に発見できるようにした。実際の運用を想定したシミュレーションも行い、各種検証結果をもとにシステムのパフォーマンスや安全性を向上させるための対策を講じた。この工程により、システム構成に新規性があっても、安定稼働できることを確認し、現場の信頼性を高めることができた。

クラウドベンダーとの緊密な連携

クラウドベンダーとは定期的なミーティングや日々のコミュニケーションを重ね、技術的な疑問や課題を逐次共有した。専門的なアドバイスや現地調査などを通じて、最適な解決策を速やかに共同で検討できる体制を築いた。こうした連携によって移行リスクを低減し、結果として具体的で現実的な移行イメージを全関係者で共有することができた。

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