
情シスのアウトソーシングとは?委託すべき業務と失敗しない進め方
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外部活用で情シスの付加価値を高める方法
「PCが動かない」「ログインできない」「ネットワークにつながらない」。
日々寄せられる問い合わせや障害対応に追われ、DX推進やIT戦略の策定に手が回らない――。こうした状況は、多くの情シスにとって珍しくありません。
しかし、ここで一度考えたい問いがあります。
その業務は、本当に情シスが自ら対応すべきでしょうか?
情シスの役割は、IT環境を維持することだけではありません。業務効率化やデータ活用、セキュリティ強化を通じて、事業成長に貢献することも重要な使命です。
本記事では、情シスが定型業務から解放され、戦略的な業務に集中するための「外部活用」について解説します。
情シスが多忙になる3つの理由
1.IT人材が不足している
IPAの「DX動向2025」では、日本企業の85.1%がDXを推進する人材の不足を感じているとされています。 ipa.go.jp
特に中堅・中小企業では、情シス担当者が1名のみ、または他業務との兼任というケースも少なくありません。
限られた人数で、次のような業務を同時に担う必要があります。
PCやスマートフォンの管理
SaaSアカウントの発行・削除
ヘルプデスク対応
ネットワークやサーバーの運用
セキュリティ対策
システム導入・刷新
DXやIT戦略の企画
結果として、緊急度の高い問い合わせ対応が優先され、将来に向けた企画が後回しになります。
2.レガシーシステムが足かせになる
経済産業省は、レガシーシステムの維持管理費がIT予算を圧迫し、DX投資を阻害する「2025年の崖」を指摘しています。 meti.go.jp
既存システムが複雑化すると、次の問題が起こります。
特定担当者しか対応できない
手順書が整備されていない
障害対応に時間がかかる
新しいシステムへの移行が難しい
保守運用に予算と人材が集中する
こうした状態は、いわゆる「技術的負債」です。目の前の運用を続けるほど、将来の改善が難しくなります。
3.業務が属人化している
「この設定は担当者しかわからない」「障害時は経験者の判断が必要」といった状態では、担当者が休職・退職した際に業務が止まるリスクがあります。
属人化は、情シス担当者の負担を増やすだけでなく、企業の事業継続にも影響します。
外部活用は「丸投げ」ではない
外部活用を検討する際、最も避けたいのが「現状のまま丸ごと委託する」ことです。
業務整理をせずに委託すると、次のような問題が起こり得ます。
自社に運用ノウハウが残らない
委託先の判断基準が見えなくなる
契約変更や解約が難しくなる
委託費用が増え続ける
セキュリティ上の責任範囲が曖昧になる
外部活用の目的は、単に人手を補うことではありません。
定型業務を外部の力で効率化し、情シスが戦略的な業務に集中できる状態をつくること
これが本来の目的です。
何を外部に任せるべきか
外部活用の判断では、業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分けます。
業務 | 具体例 | 推奨方針 |
|---|---|---|
IT戦略・企画 | 中期計画、DXロードマップ、予算策定 | 社内で担う |
PC・端末管理 | キッティング、棚卸し、資産管理 | 外部活用を検討 |
ヘルプデスク | 一次受付、操作案内、パスワード対応 | 外部活用を検討 |
インフラ運用 | 定型監視、アカウント管理、定期作業 | 外部活用を検討 |
セキュリティ運用 | 監視、脆弱性診断、ログ分析 | 専門会社と共同運用 |
データ活用 | BI導入、分析、AI活用企画 | 社内主導を基本とする |
判断基準はシンプルです。
- 自社の競争優位に直結するか
- 経営判断が必要か
- 標準化・定型化できるか
- 専門人材が必要か
- 外部に任せた方が品質とスピードを高められるか
情シスが社内に残すべきなのは、すべての作業ではなく、自社の事業や経営に直結する判断です。
外部活用を成功させる5つのステップ
Step 1:業務を棚卸しする
まず、情シスが行っている業務をすべて洗い出します。
確認項目 |
|---|
誰が担当しているか |
どの頻度で発生するか |
どれくらい時間がかかるか |
どの手順で対応しているか |
例外処理はあるか |
担当者が不在でも対応できるか |
Step 2:業務を標準化する
外部委託の前に、手順やルールを整理します。
- 対応手順を文書化する
- 例外対応を減らす
- アカウントや資産情報を整理する
- FAQやナレッジを整備する
- 管理者権限を棚卸しする
標準化されていない業務をそのまま委託すると、確認作業ばかりが増えます。
Step 3:責任分界点とSLAを定める
「どこまでを委託先が担当するのか」を契約前に明確にします。
SLAには、次の項目を盛り込みます。
- 一次応答時間
- 対応時間・受付時間
- 障害時の連絡方法
- 復旧目標時間
- エスカレーション条件
- 定例報告の内容
- 改善提案の頻度
SLAだけでなく、次のようなKPIも設定すると効果を測定できます。
- 問い合わせ件数
- 自己解決率
- 平均対応時間
- 再発障害の件数
- アカウント削除の対応時間
- 資産台帳の更新率
Step 4:パートナーを選定する
費用だけでなく、次の観点で比較します。
- 自社と同規模・同業界での実績
- 対象SaaSやクラウドへの知見
- セキュリティ体制
- 担当者の専門性
- 障害時の対応力
- レポートや改善提案の品質
- 再委託の管理体制
- 契約終了時の引き継ぎ方針
「言われたことだけを実行する会社」ではなく、運用改善まで提案できるパートナーを選ぶことが重要です。
Step 5:定期的に評価・改善する
外部活用は、契約して終わりではありません。
月次・四半期ごとに、次の項目を確認します。
- SLAを達成できているか
- 問い合わせは減っているか
- 業務品質は改善しているか
- ナレッジが蓄積されているか
- セキュリティ上の問題はないか
- 委託範囲が適切か
環境の変化に応じて、委託範囲や契約内容を見直しましょう。
セキュリティ診断を外部活用する際のポイント
セキュリティ領域は、特に外部の専門性を活用しやすい分野です。
一方で、外部委託してもセキュリティ上の責任がなくなるわけではありません。経済産業省・IPAのガイドラインでも、委託先を含むサプライチェーン全体の管理が重要とされています。 meti.go.jp
委託先を選ぶ際は、次の点を確認してください。
- セキュリティ診断の実績
- 診断対象と範囲
- 診断手法と報告内容
- 脆弱性の優先度付け
- 改善策の提案力
- 診断後の再検査対応
- 診断データの取り扱い
- インシデント発生時の連絡体制
- 再委託の有無と管理方法
特に重要なのは、診断結果を受け取るだけで終わらせないことです。
発見された課題を、優先順位・対応期限・担当者まで落とし込むことが、セキュリティ診断の価値を高めます。
情シスは「何でも屋」から「経営のパートナー」へ
外部活用によって削減すべきなのは、仕事そのものではありません。
削減すべきなのは、情シスが本来担わなくてもよい定型作業です。
たとえば、PC管理や一次問い合わせ対応に費やしていた時間を、次のような業務に振り向けられます。
- DXロードマップの策定
- 業務プロセスの改善
- データ活用基盤の整備
- AI導入の企画・検証
- セキュリティ戦略の策定
- ITコストの最適化
- 経営層への改善提案
情シスが外部活用によって手に入れるべきものは、単なる作業時間ではありません。
考える時間と、変革を実行するための余力です。
まずはセキュリティの現状を可視化する
外部活用を始める前に、まず自社のIT環境とセキュリティリスクを把握しましょう。
次のような課題がある場合、セキュリティ診断の実施を検討する価値があります。
- 退職者のアカウントが残っている
- 管理者権限を持つユーザーが多い
- クラウドサービスの利用状況を把握できていない
- VPNやリモートアクセスの設定を確認できていない
- 脆弱性対応の優先順位が決まっていない
- セキュリティ対策が担当者の経験に依存している
- インシデント発生時の対応手順がない
セキュリティ対策は、問題が起きてからではなく、起きる前に始めることが重要です。
InfiniCoreのセキュリティ診断
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「何から対策すべきかわからない」「自社の弱点を客観的に把握したい」という企業は、まず現状を確認してみてください。



