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ネットワークセキュリティの基礎知識と主な種類を一挙紹介

目次[非表示]

  1. ネットワークセキュリティの基本と重要性
  2. ネットワークセキュリティの主な脅威
  3. ネットワークセキュリティの主要な種類と対策技術
  4. ネットワークセキュリティキー・SSIDなど基礎知識と確認方法
  5. ネットワークセキュリティ対策の導入・運用ポイント
  6. 最新事例・トレンドから学ぶネットワークセキュリティ対策
  7. まとめ|ネットワークセキュリティ対策を徹底し情報資産を守ろう

この記事は、ネットワークセキュリティの基礎知識や主な種類について知りたい方、特に企業のIT担当者や情報システム部門、または個人でセキュリティ対策を強化したい方に向けて書かれています。
ネットワークセキュリティの定義や重要性、代表的な脅威、具体的な対策技術、無線LANの基礎知識、導入・運用のポイント、最新事例まで幅広く解説し、読者が自分に合ったセキュリティ対策を選べるようサポートします。
ネットワークセキュリティの全体像を把握し、実践的な知識を身につけたい方に最適な内容です。

ネットワークセキュリティの基本と重要性

ネットワークセキュリティとは何か?定義と役割を解説

ネットワークセキュリティとは、インターネットや社内ネットワークなどの通信経路上でやり取りされるデータやシステムを、外部や内部の脅威から守るための対策全般を指します。
その役割は、情報の機密性・完全性・可用性を維持し、不正アクセスやデータ漏えい、サイバー攻撃などから組織や個人の資産を保護することです。
ネットワークセキュリティは、ファイアウォールや暗号化、アクセス制御など多様な技術や運用ルールを組み合わせて実現されます。
現代のビジネスや日常生活において、ネットワークを安全に利用するためには欠かせない基盤となっています。

  • 通信データの保護
  • 不正アクセスの防止
  • 情報漏えいの防止
  • システムの安定稼働

なぜネットワークセキュリティが必要なのか|現代社会のリスクと被害事例

現代社会では、インターネットやクラウドサービスの普及により、個人情報や企業の機密データがネットワーク上でやり取りされる機会が増えています。
その一方で、サイバー攻撃や不正アクセス、情報漏えいなどのリスクも高まっています。
実際に、ランサムウェアによる業務停止や、顧客情報の流出による社会的信用の失墜など、深刻な被害事例が後を絶ちません。
ネットワークセキュリティ対策を怠ると、金銭的損失だけでなく、企業ブランドや顧客信頼の喪失にもつながるため、あらゆる組織や個人にとって不可欠な取り組みとなっています。

  • ランサムウェアによる業務停止
  • 顧客情報の流出
  • 不正アクセスによるシステム改ざん
  • サプライチェーン攻撃

ネットワークセキュリティと情報セキュリティの違い

ネットワークセキュリティと情報セキュリティは混同されがちですが、守る対象や範囲に違いがあります。
ネットワークセキュリティは、ネットワーク上の通信や接続機器、データのやり取りに特化した防御策を指します。
一方、情報セキュリティは、ネットワークだけでなく、紙媒体や物理的な資産も含めた情報全般の保護を目的としています。
つまり、ネットワークセキュリティは情報セキュリティの一部であり、両者をバランスよく組み合わせることで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。

項目

ネットワークセキュリティ

情報セキュリティ

守る範囲

ネットワーク通信・機器

情報全般(紙・データ・物理)

主な対策

ファイアウォール、暗号化

アクセス制御、物理的管理

ネットワークセキュリティの主な脅威

代表的なサイバー攻撃の種類(マルウェア・ランサムウェア・DDoS攻撃など)

ネットワークセキュリティを脅かす代表的なサイバー攻撃には、マルウェア、ランサムウェア、DDoS攻撃などがあります。
マルウェアは悪意のあるソフトウェア全般を指し、情報の窃取やシステム破壊を目的とします。
ランサムウェアはデータを暗号化し、復旧のために身代金を要求する攻撃です。
DDoS攻撃は大量の通信を送りつけてサービスを停止させる手法で、企業のWebサイトやサービスに甚大な影響を与えます。
これらの攻撃は日々進化しており、最新の脅威動向を把握し、適切な対策を講じることが重要です。

  • マルウェア(ウイルス・トロイの木馬など)
  • ランサムウェア
  • DDoS攻撃
  • フィッシング詐欺

攻撃手法

特徴

マルウェア

不正プログラムで情報窃取や破壊を行う

ランサムウェア

データを暗号化し身代金を要求

DDoS攻撃

大量通信でサービスを妨害

不正アクセス・情報漏えい・内部不正のリスク

ネットワークセキュリティの脅威は外部からの攻撃だけでなく、内部からの不正行為や情報漏えいも深刻なリスクとなります。
不正アクセスは、権限のない第三者がシステムやデータに侵入し、情報を盗み出したり改ざんしたりする行為です。
また、従業員や関係者による内部不正も増加傾向にあり、意図的な情報持ち出しや操作ミスによる漏えいが発生しています。
これらのリスクを低減するためには、アクセス権限の厳格な管理や監視体制の強化、従業員教育が不可欠です。

  • 不正アクセスによる情報窃取
  • 内部関係者による情報漏えい
  • 操作ミスによるデータ流出

企業や組織が直面する脅威の最新トレンド

近年、企業や組織が直面するネットワークセキュリティの脅威は多様化・高度化しています。
標的型攻撃やサプライチェーン攻撃、ゼロデイ攻撃など、従来の防御策では対応が難しい手法が増えています。
また、テレワークやクラウドサービスの普及により、従来の境界型防御だけでは不十分となり、ゼロトラストセキュリティの導入が注目されています。
最新の脅威動向を把握し、柔軟かつ多層的な対策を講じることが求められています。

  • 標的型攻撃の増加
  • サプライチェーン攻撃
  • ゼロデイ脆弱性の悪用
  • クラウド・テレワーク環境への攻撃

ネットワークセキュリティの主要な種類と対策技術

ファイアウォール・UTMによる境界防御の仕組み

ファイアウォールは、ネットワークの出入口で通信を監視し、不正なアクセスや攻撃を遮断する基本的なセキュリティ機器です。
UTM(統合脅威管理)は、ファイアウォール機能に加え、ウイルス対策や侵入検知、Webフィルタリングなど複数のセキュリティ機能を一台で提供します。
これにより、ネットワークの境界で多層的な防御を実現し、さまざまな脅威からシステムを守ることができます。
特に中小企業や拠点の多い企業では、UTMの導入が効率的なセキュリティ対策となります。

機器名

主な機能

ファイアウォール

通信の許可・遮断

UTM

複数のセキュリティ機能を統合

IPS・IDS・NDRでの脅威検知と遮断

IPS(侵入防止システム)やIDS(侵入検知システム)、NDR(ネットワーク検知&対応)は、ネットワーク上の不審な通信や攻撃をリアルタイムで検知・遮断する技術です。
IDSは主に不正な通信を検知しアラートを出す役割、IPSは検知した脅威を自動的に遮断する機能を持ちます。
NDRはAIや機械学習を活用し、より高度な脅威の検知や自動対応を実現します。
これらの技術を組み合わせることで、未知の攻撃や内部不正にも迅速に対応できる体制を構築できます。

  • IDS:不正通信の検知・通知
  • IPS:不正通信の検知・遮断
  • NDR:AIによる高度な脅威検知

VPN・WEP・WPAなど通信暗号化技術の概要

通信の暗号化は、ネットワークセキュリティの基本です。
VPN(仮想プライベートネットワーク)は、インターネット上に安全な通信経路を確立し、データの盗聴や改ざんを防ぎます。
無線LANでは、WEPやWPA、WPA2、WPA3などの暗号化方式があり、WEPは古く脆弱性が多いため、現在はWPA2やWPA3の利用が推奨されています。
これらの技術を適切に選択・運用することで、通信の安全性を大きく高めることができます。

暗号化方式

特徴

WEP

古い方式で脆弱性あり

WPA2

現在主流の高い安全性

WPA3

最新・より強固な暗号化

DLP・エンドポイントセキュリティの役割と重要性

DLP(データ損失防止)は、機密情報の漏えいや不正持ち出しを防ぐための技術です。
エンドポイントセキュリティは、PCやスマートフォンなどネットワークに接続する端末自体を保護し、ウイルス感染や不正アクセスを防ぎます。
これらの対策は、内部不正やリモートワークの普及により、ますます重要性が高まっています。
組織全体の情報資産を守るためには、ネットワークだけでなく端末やデータの保護も欠かせません。

  • DLP:機密データの漏えい防止
  • エンドポイントセキュリティ:端末のウイルス・不正アクセス対策

アクセス制御・認証ソリューションによる不正防止

アクセス制御や認証ソリューションは、ネットワークやシステムへの不正アクセスを防ぐための重要な仕組みです。
ユーザーごとにアクセス権限を設定し、必要最小限の権限のみを付与することで、情報漏えいや内部不正のリスクを低減します。
また、多要素認証(MFA)やシングルサインオン(SSO)などの認証技術を導入することで、なりすましやパスワード漏えいによる被害を防ぐことができます。
これらの対策は、企業規模や業種を問わず、現代のセキュリティ対策に不可欠です。

  • アクセス権限の厳格な管理
  • 多要素認証(MFA)の導入
  • シングルサインオン(SSO)

クラウド・Web・アプリケーション向けセキュリティ対策

クラウドサービスやWebアプリケーションの普及に伴い、これらに特化したセキュリティ対策も重要です。
クラウド環境では、ID管理やアクセス制御、暗号化、ログ監視など多層的な対策が求められます。
Webアプリケーションには、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)や脆弱性診断、定期的なアップデートが有効です。
また、APIセキュリティやゼロトラストモデルの導入も進んでおり、最新の脅威に対応するためには、クラウド・Web特有のリスクを理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。

  • WAFによるWebアプリ防御
  • クラウドID管理・アクセス制御
  • APIセキュリティ

ネットワークセキュリティキー・SSIDなど基礎知識と確認方法

ネットワークセキュリティキーとは?入力・確認・選び方

ネットワークセキュリティキーとは、無線LAN(Wi-Fi)に接続する際に必要なパスワードのことです。
このキーは、第三者による不正なアクセスを防ぐために設定されており、正しいキーを入力しないとネットワークに接続できません。
セキュリティキーの確認方法は、ルーター本体のラベルや管理画面、または契約書類などで確認できます。
選び方のポイントは、推測されにくい複雑な文字列を設定し、定期的に変更することです。
安易なパスワードは不正アクセスのリスクを高めるため、十分な注意が必要です。

  • 英数字・記号を組み合わせた複雑なキーを設定
  • 定期的な変更を心がける
  • ルーターの管理画面で確認・変更可能

SSID・WPA・WEPなど無線LANのセキュリティ基準

SSIDは無線LANネットワークの識別名で、複数のネットワークが存在する場合に区別するために使われます。
無線LANのセキュリティ基準にはWEP、WPA、WPA2、WPA3などがあり、WEPは古く脆弱性が多いため現在は推奨されていません。
WPA2やWPA3は強力な暗号化方式を採用しており、より安全な通信を実現します。
SSIDの非公開設定や、WPA2/WPA3の利用が安全な無線LAN運用の基本です。

セキュリティ方式

特徴

WEP

古く脆弱性が多い

WPA2

現在主流の高い安全性

WPA3

最新・より強固な暗号化

プライベートネットワークやクローズドネットワークの違い

プライベートネットワークは、家庭や企業内など限られた範囲で利用されるネットワークで、外部からのアクセスが制限されています。
一方、クローズドネットワークは、さらに厳格にアクセスを制限し、特定のユーザーや端末のみが接続できる閉じたネットワークです。
これに対し、オープンネットワークは誰でも接続できるため、セキュリティリスクが高くなります。
用途や必要なセキュリティレベルに応じて、適切なネットワーク形態を選択することが重要です。

  • プライベートネットワーク:家庭・社内向け
  • クローズドネットワーク:特定ユーザー限定
  • オープンネットワーク:誰でも接続可能

ネットワークセキュリティ入力時の注意点とトラブル対策

ネットワークセキュリティキーを入力する際は、正確に入力することが重要です。
大文字・小文字や記号の違いに注意し、入力ミスがないか確認しましょう。
接続できない場合は、ルーターの再起動やキーの再確認、端末の再接続を試みてください。
また、セキュリティキーを第三者に知られないよう管理し、定期的な変更も推奨されます。
トラブルが解決しない場合は、ルーターの初期化やサポート窓口への相談も有効です。

  • 入力ミスに注意(大文字・小文字・記号)
  • 接続できない場合は再起動や再確認
  • キーの管理・定期変更を徹底

ネットワークセキュリティ対策の導入・運用ポイント

企業・中小企業・個人で取り組むべきセキュリティ対策

ネットワークセキュリティ対策は、企業規模や利用環境に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
企業や中小企業では、ファイアウォールやUTM、IDS/IPSの導入、アクセス制御の徹底、従業員教育など多層的な対策が求められます。
個人の場合も、Wi-Fiの暗号化やセキュリティソフトの導入、定期的なパスワード変更など基本的な対策が重要です。
それぞれの立場でできることから始め、継続的な見直しと改善を心がけましょう。

  • 企業:多層防御・従業員教育・監視体制
  • 中小企業:UTMやクラウド型セキュリティの活用
  • 個人:Wi-Fi暗号化・セキュリティソフト導入

脆弱性診断・監査・定期的なアップデートの重要性

ネットワークやシステムの脆弱性は、サイバー攻撃の格好の標的となります。
定期的な脆弱性診断やセキュリティ監査を実施し、問題点を早期に発見・修正することが重要です。
また、OSやソフトウェア、ネットワーク機器のアップデートを怠ると、既知の脆弱性を突かれるリスクが高まります。
自動更新機能の活用や、パッチ適用の運用ルールを整備し、常に最新の状態を維持しましょう。

  • 定期的な脆弱性診断の実施
  • セキュリティ監査による現状把握
  • OS・ソフトウェアのアップデート徹底

従業員教育・ポリシー策定による実効性向上

ネットワークセキュリティ対策の実効性を高めるためには、技術的な対策だけでなく、従業員一人ひとりの意識向上が不可欠です。
定期的なセキュリティ教育や訓練を実施し、フィッシングメールや不審なリンクへの注意喚起を徹底しましょう。
また、情報資産の取り扱いルールやアクセス権限の管理など、明確なセキュリティポリシーを策定し、全社員に周知することが重要です。
これにより、ヒューマンエラーや内部不正のリスクを大幅に低減できます。

  • 定期的なセキュリティ教育の実施
  • セキュリティポリシーの策定と周知
  • 情報資産の取り扱いルールの明確化

ネットワーク管理者の役割と管理ツールの活用

ネットワーク管理者は、システム全体のセキュリティを維持・向上させる重要な役割を担っています。
日々の監視やログ管理、脆弱性の把握、インシデント発生時の迅速な対応など、多岐にわたる業務が求められます。
近年はSIEM(セキュリティ情報イベント管理)やEDR(エンドポイント検知・対応)などの管理ツールを活用し、効率的かつ高度なセキュリティ運用が可能となっています。
これらのツールを適切に導入・運用することで、人的ミスや見落としを防ぎ、組織全体の安全性を高めることができます。

  • ネットワーク監視・ログ管理
  • SIEMやEDRなどの管理ツール活用
  • インシデント対応体制の整備

最新事例・トレンドから学ぶネットワークセキュリティ対策

大手企業・ドコモなどの導入事例紹介

大手企業や通信事業者のドコモなどは、最先端のネットワークセキュリティ対策を積極的に導入しています。
例えば、ゼロトラストモデルの採用やAIを活用した脅威検知、クラウド型セキュリティサービスの導入などが挙げられます。
これらの事例は、従来の境界防御だけでなく、内部対策や多層防御の重要性を示しています。
他社の成功事例を参考に、自社のセキュリティ体制を見直すことが、効果的な対策強化につながります。

  • ゼロトラストモデルの導入
  • AIによる脅威検知
  • クラウド型セキュリティサービスの活用

最近発生した情報漏えい・サイバー攻撃事例

近年、国内外で大規模な情報漏えいやサイバー攻撃が相次いでいます。
例えば、ランサムウェアによる企業の業務停止や、クラウドサービスの設定ミスによる個人情報流出などが発生しています。
これらの事例からは、技術的な対策だけでなく、運用管理や従業員教育の重要性も再認識されています。
最新の被害事例を把握し、自社のリスク評価や対策の見直しに役立てましょう。

  • ランサムウェアによる業務停止
  • クラウド設定ミスによる情報流出
  • 標的型攻撃による機密情報の窃取

標的型攻撃やランサムウェアへの先進的対策ソリューション

標的型攻撃やランサムウェアなど高度化するサイバー攻撃に対しては、従来の防御策だけでは不十分です。
AIや機械学習を活用した次世代型の脅威検知、EDRやNDRによるリアルタイム監視、ゼロトラストセキュリティの導入など、先進的なソリューションが求められています。
また、インシデント発生時の迅速な対応体制や、バックアップの多重化も重要な対策です。
最新技術と運用の両面から、多層的な防御体制を構築しましょう。

  • AI・機械学習による脅威検知
  • EDR・NDRの導入
  • ゼロトラストセキュリティの実践
  • バックアップの多重化

まとめ|ネットワークセキュリティ対策を徹底し情報資産を守ろう

ネットワークセキュリティは、現代社会において情報資産を守るための最重要課題です。
多様化・高度化する脅威に対応するためには、技術的対策と運用管理、従業員教育をバランスよく組み合わせることが不可欠です。


本記事で紹介した基礎知識や最新事例を参考に、自社や個人の環境に合った対策を実践し、継続的な見直しと改善を心がけましょう。
安全なネットワーク環境を構築し、情報資産をしっかりと守りましょう。

古田 清秀(ふるた きよひで)
古田 清秀(ふるた きよひで)
InfiniCore株式会社 ソリューションサービス事業本部 責任者 新卒以来30年以上IT業界に在籍し、サイバーセキュリティの最前線で活躍する専門家です。 ネットワークインフラ構築の営業を通じてセキュリティの重要性を痛感。前職では新規セキュリティサービスのプロジェクトマネージャー(PM)として、その立ち上げを成功に導きました。 長年の経験と深い知見を活かし、複雑なセキュリティ課題を分かりやすく解説。企業の安全なデジタル変革を支援するための情報発信を行っています。