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ひとり情シスの限界が近い?ネットワーク保守を外注すべき5つの危険な兆候

目次[非表示]

  1. ネットワークの「運用」と「保守」はどう違う?
  2. ネットワーク保守に含まれる主な業務
  3. ネットワーク保守を外注すべき5つの危険な兆候
  4. 内製と外注の違いを比較する
  5. 経営層に説明するROIの考え方
  6. 失敗しないネットワーク保守業者の選び方
  7. 外注化を成功させる3ステップ

「突然インターネットにつながらない」

「Wi-Fiが遅いと現場から問い合わせが殺到する」

「VPNの接続エラーで夜間に呼び出される」

ネットワーク障害への対応は、ひとり情シスにとって大きな負担です。復旧を優先するあまり、DX推進やセキュリティ対策など、本来取り組むべき業務が後回しになるケースも少なくありません。

ネットワークは、正常に動いている間は評価されにくい一方、障害が発生すると業務全体に影響します。だからこそ、保守業務を担当者個人の努力だけに依存させないことが重要です。

本記事では、ネットワーク保守の具体的な業務内容、内製化の限界、外注を検討すべきサイン、業者選定のポイントを解説します。

ネットワークの「運用」と「保守」はどう違う?

ネットワーク管理では、「運用」と「保守」が混同されがちです。大まかには、次のように整理できます。

運用:安定稼働を維持する業務

  • 機器の死活監視
  • ログやトラフィックの確認
  • アカウント管理
  • 定期バックアップ
  • 稼働状況のモニタリング

運用は、あらかじめ手順を定め、計画的に実施しやすい業務です。

保守:障害を復旧し、環境を改善する業務

  • 障害発生時の原因切り分け
  • 通信キャリアやメーカーへの問い合わせ
  • 機器交換や設定情報の復元
  • ファームウェア・セキュリティパッチの適用
  • VLANやVPNなどの設定変更
  • ネットワーク構成の見直し

保守は、突発性が高く、状況に応じた判断や専門知識が求められます。

ひとり情シスでは業務が混在しやすい

実際の現場では、計画的な運用中に障害対応が割り込みます。その結果、情シス担当者は一日中トラブル対応に追われ、企画・改善・セキュリティ対策に時間を割けなくなります。

経済産業省は、セキュリティ対策や事業継続の観点からも、IT管理業務の属人化を避け、継続的に管理できる体制を整えることの重要性を示しています。

ネットワーク保守に含まれる主な業務

ネットワーク保守は、障害が起きたときだけの対応ではありません。平時から次のような業務が発生します。

1.監視・検知

  • Pingなどによる死活監視
  • CPU・メモリ・トラフィックの確認
  • syslogの確認
  • 異常通信やアラートの確認

2.障害対応

  • PC、スイッチ、ルーター、回線などの切り分け
  • 通信キャリア・メーカーへの問い合わせ
  • 代替機への交換
  • コンフィグの復元
  • 復旧後の原因分析と再発防止

3.構成・資産管理

  • ネットワーク構成図の更新
  • IPアドレス管理
  • 機器台帳の更新
  • シリアル番号や保守期限の管理
  • 回線・契約情報の管理

4.脆弱性対応・メンテナンス

  • ルーターやスイッチのファームウェア更新
  • セキュリティパッチの適用
  • 更新前後の動作検証
  • 保守期限切れ機器の入れ替え計画
    これらは売上に直結しにくい「守りの業務」ですが、放置すると情報漏えいや長時間の業務停止につながります。

ネットワーク保守を外注すべき5つの危険な兆候

次の項目に2つ以上当てはまる場合、内製だけで保守を続けることが難しくなっている可能性があります。

1.障害対応でコア業務が頻繁に止まる

DX推進やシステム企画を期待されているにもかかわらず、「ネットが遅い」「VPNにつながらない」といった問い合わせで一日が終わっていませんか。

突発対応により、改善・企画業務の時間が確保できない状態は、担当者だけでなく会社全体の機会損失です。

2.担当者が休むと復旧や設定変更ができない


次のような状態は、典型的な属人化です。

  • VPN設定を特定の担当者しか変更できない

  • 構成図やパスワードの管理場所が分からない

  • 退職者が残した設定の意味を誰も把握していない

  • 障害時の復旧手順がない

    担当者の不在がそのまま業務停止につながる場合は、BCPの観点からも早急な対策が必要です。

3.パッチやファームウェア更新が後回しになっている


「停止時間を確保できない」「検証する時間がない」といった理由で、更新を数か月放置していないでしょうか。

ネットワーク機器の脆弱性を悪用されると、社内ネットワークへの侵入や情報漏えいにつながる可能性があります。更新を継続できない状態は、セキュリティ管理が限界に達しているサインです。

4.夜間・休日の呼び出しに常に不安を感じる


24時間稼働のシステムや休日稼働の拠点がある場合、ひとり情シスがすべての時間帯をカバーするのは現実的ではありません。

慢性的な緊張状態は、心身の負担や離職リスクにもつながります。監視や一次対応だけでも外部化できれば、担当者の負担を大きく減らせます。

5.ネットワーク構成図が実態と合っていない

  • どの機器がどこにつながっているか分からない
  • 不要なハブやルーターが残っている
  • 構成図が数年前から更新されていない
  • 障害時に現地を確認しないと状況が分からない
    この状態では、障害の切り分けに時間がかかり、設定変更による新たなトラブルも起こりやすくなります。まずは現状調査と構成の可視化を実施しましょう。

内製と外注の違いを比較する

「社員が対応すれば費用はかからない」と考えがちですが、内製には見えにくいコストがあります。

内製化にかかる隠れたコスト

  • 採用・教育費
  • 残業・休日対応の人件費
  • 担当者不在時の復旧遅延
  • DXや業務改善が進まないことによる機会損失
  • 退職時の引き継ぎ・再構築コスト

外注費だけでなく、障害が起きた場合の「停止時間」と「対応できなかった業務」の価値も比較する必要があります。

外注のメリットと注意点

項目

メリット

注意点

品質

専門知識を持つ担当者が対応できる

会社によってスキルに差がある

コスト

月額費用として予算化しやすい

契約範囲外は追加費用になる場合がある

継続性

休暇・退職の影響を受けにくい

1社に依存しすぎると切り替えが難しい

情シス業務

企画や改善に集中しやすい

社内に知識を残す仕組みが必要

外注は「丸投げ」ではなく、責任範囲と情報共有の方法を明確にして活用することが重要です。

経営層に説明するROIの考え方

外注の必要性を説明する際は、「保険」と「生産性向上」の2つの視点を使います。

ダウンタイム損失を防ぐ

例えば、従業員50名がネットワーク障害で半日業務を停止した場合、人件費だけでなく、納期遅延や顧客対応などの損失も発生します。

コア業務に時間を戻す

保守を外部化すれば、情シス担当者は次の業務に集中できます。

  • 業務改善
  • セキュリティ対策
  • システム導入
  • データ活用
  • DX推進

「保守費用はいくらか」だけでなく、「保守から解放されることで何を実現できるか」を示すことがポイントです。

失敗しないネットワーク保守業者の選び方

委託範囲を明確にする

監視のみ

機器の死活監視やアラート通知を行うサービスです。費用は抑えやすい一方、障害発生後の対応は社内で行う必要があります。

リモート保守

遠隔から調査や設定変更を行います。物理的な故障を除き、多くのトラブルに対応できます。

オンサイト保守

エンジニアが現地へ訪問し、機器交換や配線確認を行います。拠点が多い企業や、現地作業が必要な企業に適しています。

契約前に確認したい項目

  • 対応時間帯
  • 一次回答までの時間
  • オンサイト到着までの時間
  • 対応可能な機器・メーカー
  • 対応回数の上限
  • 設定変更の扱い
  • 交換部品費用の扱い
  • 報告書や構成図の更新範囲

「24時間対応」と記載されていても、一次受付のみの場合があります。契約書やサービス内容で確認しましょう。

保守期限と機器の更新計画

メーカー保守が終了した機器を使い続ける場合は、故障時の部品調達やセキュリティ対応に注意が必要です。

第三者保守を選択肢にできる場合もありますが、すべての機器・環境に適しているとは限りません。リプレース時期、脆弱性対応、障害時の復旧方法を含めて比較しましょう。

外注化を成功させる3ステップ

Step 1:ネットワーク資産を棚卸しする

まず、次の情報を整理します。

  • ネットワーク構成図
  • 機器のメーカー・型番
  • IPアドレス
  • 管理者アカウント
  • 回線・ISP情報
  • 保守契約・更新期限
  • 拠点・フロアごとの接続状況

情報が不足している場合は、現状調査から外部に依頼できます。

Step 2:定型業務と判断業務を分ける

外注しやすい業務:

  • 死活監視
  • 一次切り分け
  • パッチ適用
  • 機器台帳の更新
  • 定期レポート作成
    社内に残したい業務:
  • セキュリティ方針の決定
  • 新規システムの導入企画
  • 予算・投資判断
  • ベンダーコントロール

最初は定型業務から切り出し、効果を確認しながら範囲を広げると安全です。

Step 3:小さく始めて効果を確認する

最初から全面的に委託するのではなく、次のような範囲から始めます。

  • 監視とアラート通知
  • 障害時の一次切り分け
  • 月次の構成確認
  • 脆弱性・更新情報の確認

対応件数、復旧時間、担当者の削減工数を測定すれば、社内説明もしやすくなります。

まずはネットワークのセキュリティ診断から

ネットワーク保守の外注を検討する前に、自社環境のリスクを把握しておくことが重要です。

次のような課題がある場合は、セキュリティ診断をおすすめします。

  • 構成図が古い
  • 使用していない機器やアカウントがある
  • ファームウェア更新が止まっている
  • VPNやリモートアクセスの設定を把握できていない
  • 退職者のアカウントが残っている
  • 外部公開設定を確認できていない

診断によって課題を可視化できれば、保守の優先順位や外注範囲を具体化できます。

InfiniCore株式会社のセキュリティ診断で、現状のリスクを可視化

「何から確認すべきか分からない」

「ネットワークの構成や設定に不安がある」

「外注すべき範囲を整理したい」

このような場合は、まず自社環境の現状を確認しましょう。

InfiniCore株式会社のセキュリティ診断では、ネットワークやシステム環境を調査し、優先的に対応すべき課題を整理します。

古田 清秀(ふるた きよひで)
古田 清秀(ふるた きよひで)
InfiniCore株式会社 ソリューションサービス事業本部 責任者 新卒以来30年以上IT業界に在籍し、サイバーセキュリティの最前線で活躍する専門家です。 ネットワークインフラ構築の営業を通じてセキュリティの重要性を痛感。前職では新規セキュリティサービスのプロジェクトマネージャー(PM)として、その立ち上げを成功に導きました。 長年の経験と深い知見を活かし、複雑なセキュリティ課題を分かりやすく解説。企業の安全なデジタル変革を支援するための情報発信を行っています。