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まだ自力で駆けつけますか?情シスを疲弊させるオンサイト保守の限界点

目次[非表示]

  1. 1. 自力オンサイト保守が情シスを疲弊させる3つの理由
  2. 2. オンサイト保守とは?他の保守形態との違い
  3. 3. 自社対応で見落としやすい4つのコスト
  4. 4. 外部委託を検討すべき5つのサイン
  5. 5. 失敗しないオンサイト保守委託先の選び方
  6. 6. 導入前に整理すべきこと
  7. 7. 保守委託で期待できる変化
  8. 8. よくある質問
  9. まとめ:保守を手放し、情シスの価値を高める

「現地対応に追われる情シス」から脱却する方法

「拠点のPCが起動しない」「プリンターがネットワークにつながらない」——トラブルのたびに、カバンを持ってオフィスを出ていませんか?

中小企業の情シス担当者にとって、現地へ赴いて修理や設定を行うオンサイト対応は、長く避けにくい業務でした。しかし、多拠点化、機器の複雑化、人材不足が進むいま、情シスがすべてを自力で抱える運用には限界があります。

移動や突発対応に時間を奪われると、情シス本来の役割である業務改善、セキュリティ強化、DX推進に手が回りません。

この記事では、自力オンサイト保守の見えにくいコストとリスクを整理し、外部サービスを活用して情シスの時間を取り戻す方法を解説します。

1. 自力オンサイト保守が情シスを疲弊させる3つの理由

1-1. 移動時間が生む機会損失

片道1時間の拠点へ訪問すれば、作業が15分で終わっても往復2時間を要します。移動中は、障害の再発防止や業務改善など、集中を要する仕事を進めにくいでしょう。

重要なのは交通費だけではありません。専門人材が移動や待機に時間を使うことで、セキュリティ対策やDXの検討が後回しになる点です。

1-2. 属人化とブラックボックス化

「あの機器は担当者しか分からない」という状態は、自力対応で起こりがちです。現場での対処が記録・標準化されないまま蓄積すると、休暇や退職の際に復旧できないリスクが高まります。

誰が対応しても同じ品質で復旧できるよう、手順、構成、対応履歴を共有できる仕組みが必要です。

1-3. 夜間・休日対応による負担

サーバーやネットワークの障害は、勤務時間を選びません。「いつ呼び出されるか分からない」状態が続けば、担当者の負担は増え、離職にもつながります。

24時間365日の対応が必要な環境では、社内だけで抱え込まず、受付・切り分け・現地対応の体制を外部と分担することが有効です。

2. オンサイト保守とは?他の保守形態との違い

2-1. オンサイト保守

オンサイト保守は、技術者がユーザーの拠点を訪問し、診断、修理、機器交換、設定などを行うサービスです。配送の手間を抑え、現場環境を確認しながら復旧できる点が特徴です。

2-2. センドバック保守

センドバック保守は、故障機器を修理拠点へ送り、修理後に返送してもらう方式です。費用を抑えやすい一方、発送期間中は機器を使えません。

比較項目

オンサイト保守

センドバック保守

復旧速度

早い傾向

数日以上かかる場合がある

現地作業

委託しやすい

梱包・発送が必要

コスト

高くなりやすい

抑えやすい

向いている機器

基幹機器、サーバー、複合機

代替機を用意できる機器

選定の基準は、機器停止による影響です。停止が許容できない機器はオンサイト、予備機で代替できる機器はセンドバックなど、重要度に応じて使い分けましょう。

2-3. リモート保守との組み合わせ

ソフトウェア設定や一次切り分けはリモート、物理故障や現地確認が必要な作業はオンサイト——このようなハイブリッド体制が、コストと復旧速度の両立につながります。

3. 自社対応で見落としやすい4つのコスト

3-1. 交通費・宿泊費・出張費

交通費、宿泊費、出張手当、車両費などは、出動のたびに発生します。遠方拠点では、1回の対応費用が大きくなりがちです。

3-2. 情シスの時間という人件費

移動や現地作業に費やした時間は、業務改善や企画に使えません。外注費と比較する際は、給与だけでなく、担当者の稼働時間と対応件数も含めて考える必要があります。

3-3. DX・セキュリティ対策の機会損失

トラブル対応に追われるほど、IT資産の棚卸し、脆弱性の確認、権限の見直し、業務効率化の検討が後回しになります。経済産業省も、既存システムの維持管理費がIT予算を圧迫し、DX投資を妨げる課題を指摘しています。 経済産業省「DXレポート」

3-4. 採用・教育・引き継ぎコスト

ハードウェア、ネットワーク、クラウドを幅広く扱える人材の採用は容易ではありません。保守作業を標準化し、専門会社と分担することで、社内人材をより高度な業務へ振り向けられます。

4. 外部委託を検討すべき5つのサイン

次の項目に当てはまるほど、保守体制の見直しが必要です。

  1. 拠点が遠方・全国に分散している
  2. PC、複合機、ネットワーク機器など対象が多様化している
  3. 受付時間や駆けつけ時間などのSLAが定まっていない
  4. 情シスが休めず、夜間・休日対応が常態化している
  5. 障害対応が記録・標準化されていない

5. 失敗しないオンサイト保守委託先の選び方

5-1. 対応エリアとSLA

「全国対応」だけでなく、各拠点への駆けつけ条件、受付時間、目標時間、対象外となる地域や作業を確認しましょう。

5-2. 技術者の対応範囲

部品交換だけでなく、OS、ネットワーク、周辺機器まで切り分けられるかを確認します。

5-3. 作業報告の品質

原因、実施内容、交換部品、再発防止策が記録されるか確認しましょう。報告データは、将来の機器更新や運用改善に活用できます。

5-4. マルチベンダー対応

メーカーごとに窓口を分けず、複数メーカーの機器を一括して相談できると、情シスの管理負担を軽減できます。

5-5. 予備機・キッティング対応

設定済みの予備機を保管し、障害時に配送・設置できるサービスなら、復旧までの時間を短縮できます。

5-6. セキュリティと情報管理

PマークやISMSの取得状況だけでなく、作業員の本人確認、入退館管理、NDA、作業ログ、リモート接続の管理方法まで確認しましょう。

6. 導入前に整理すべきこと

6-1. IT資産台帳

拠点、機器、型番、導入時期、保証状況、設置場所を整理します。情報が古い場合は、委託検討と同時に棚卸しを進めましょう。

6-2. 責任分界点

電源確認、機器交換、ネットワーク設定、業務アプリの動作確認など、どこまでを委託するかを明確にします。

6-3. 既存保証との関係

メーカー保証や保守契約が残っている機器は、外部作業によって保証条件に影響しないかを確認しましょう。

6-4. 拠点スタッフへの周知

障害時の連絡先、必要な情報、訪問時の入館手順を事前に共有すると、現場での行き違いを防げます。

7. 保守委託で期待できる変化

• 遠方拠点への移動を減らし、情シスの稼働時間を確保できる

• 対応履歴や手順を標準化し、属人化を抑えられる

• 重要機器の復旧体制とSLAを整備できる

• 情シスがDX、業務改善、セキュリティ対策に集中しやすくなる

効果は、機器台数、拠点数、契約範囲によって異なります。導入前に「出動回数」「移動時間」「復旧時間」「外部委託費」を比較し、自社に合う範囲から始めるのが現実的です。

8. よくある質問

Q1. 費用を抑えるには?

重要機器だけをオンサイト対象にし、その他はリモート、センドバック、予備機で対応する方法があります。

Q2. 小規模拠点1か所でも依頼できますか?

対応可否や料金体系は事業者によって異なります。スポット対応、一括契約、最低料金の有無を確認しましょう。

Q3. 独自システムや特殊機器にも対応できますか?

手順書や構成情報を共有し、事前検証やトレーニングを行うことで対応できる場合があります。対象範囲を契約前に確認してください。

Q4. 委託すると社内の技術力が落ちませんか?

作業を外部に任せるだけでなく、報告書、手順書、定例レビューを通じて知識を社内に蓄積する設計にすれば、むしろ運用の再現性を高められます。

まとめ:保守を手放し、情シスの価値を高める

自力オンサイト保守は、移動時間、属人化、夜間対応によって情シスの時間と経営資源を消費します。

まずは、次の数字を把握しましょう。

  • 月間の出動回数
  • 移動・現地対応にかかる時間
  • 平均復旧時間
  • 交通費・宿泊費
  • 夜間・休日対応の件数

そのうえで、重要機器はオンサイト、設定や切り分けはリモート、代替可能な機器はセンドバックというように、保守を設計し直します。

そして、保守の見直しと同時に、外部接続、端末、ネットワーク、権限などのセキュリティリスクも確認しましょう。

情シスの時間を守るために、まずセキュリティの現状を確認しませんか?

障害対応に追われる状態は、セキュリティ対策の後回しにもつながります。InfiniCore株式会社では、企業の環境に合わせたセキュリティ診断を支援しています。

「何から確認すべきか分からない」「拠点ごとのリスクを整理したい」という方は、まずは診断をご相談ください。

古田 清秀(ふるた きよひで)
古田 清秀(ふるた きよひで)
InfiniCore株式会社 ソリューションサービス事業本部 責任者 新卒以来30年以上IT業界に在籍し、サイバーセキュリティの最前線で活躍する専門家です。 ネットワークインフラ構築の営業を通じてセキュリティの重要性を痛感。前職では新規セキュリティサービスのプロジェクトマネージャー(PM)として、その立ち上げを成功に導きました。 長年の経験と深い知見を活かし、複雑なセキュリティ課題を分かりやすく解説。企業の安全なデジタル変革を支援するための情報発信を行っています。