
まだ自力で駆けつけますか?情シスを疲弊させるオンサイト保守の限界点
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「現地対応に追われる情シス」から脱却する方法
「拠点のPCが起動しない」「プリンターがネットワークにつながらない」——トラブルのたびに、カバンを持ってオフィスを出ていませんか?
中小企業の情シス担当者にとって、現地へ赴いて修理や設定を行うオンサイト対応は、長く避けにくい業務でした。しかし、多拠点化、機器の複雑化、人材不足が進むいま、情シスがすべてを自力で抱える運用には限界があります。
移動や突発対応に時間を奪われると、情シス本来の役割である業務改善、セキュリティ強化、DX推進に手が回りません。
この記事では、自力オンサイト保守の見えにくいコストとリスクを整理し、外部サービスを活用して情シスの時間を取り戻す方法を解説します。
1. 自力オンサイト保守が情シスを疲弊させる3つの理由
1-1. 移動時間が生む機会損失
片道1時間の拠点へ訪問すれば、作業が15分で終わっても往復2時間を要します。移動中は、障害の再発防止や業務改善など、集中を要する仕事を進めにくいでしょう。
重要なのは交通費だけではありません。専門人材が移動や待機に時間を使うことで、セキュリティ対策やDXの検討が後回しになる点です。
1-2. 属人化とブラックボックス化
「あの機器は担当者しか分からない」という状態は、自力対応で起こりがちです。現場での対処が記録・標準化されないまま蓄積すると、休暇や退職の際に復旧できないリスクが高まります。
誰が対応しても同じ品質で復旧できるよう、手順、構成、対応履歴を共有できる仕組みが必要です。
1-3. 夜間・休日対応による負担
サーバーやネットワークの障害は、勤務時間を選びません。「いつ呼び出されるか分からない」状態が続けば、担当者の負担は増え、離職にもつながります。
24時間365日の対応が必要な環境では、社内だけで抱え込まず、受付・切り分け・現地対応の体制を外部と分担することが有効です。
2. オンサイト保守とは?他の保守形態との違い
2-1. オンサイト保守
オンサイト保守は、技術者がユーザーの拠点を訪問し、診断、修理、機器交換、設定などを行うサービスです。配送の手間を抑え、現場環境を確認しながら復旧できる点が特徴です。
2-2. センドバック保守
センドバック保守は、故障機器を修理拠点へ送り、修理後に返送してもらう方式です。費用を抑えやすい一方、発送期間中は機器を使えません。
比較項目 | オンサイト保守 | センドバック保守 |
復旧速度 | 早い傾向 | 数日以上かかる場合がある |
現地作業 | 委託しやすい | 梱包・発送が必要 |
コスト | 高くなりやすい | 抑えやすい |
向いている機器 | 基幹機器、サーバー、複合機 | 代替機を用意できる機器 |
選定の基準は、機器停止による影響です。停止が許容できない機器はオンサイト、予備機で代替できる機器はセンドバックなど、重要度に応じて使い分けましょう。
2-3. リモート保守との組み合わせ
ソフトウェア設定や一次切り分けはリモート、物理故障や現地確認が必要な作業はオンサイト——このようなハイブリッド体制が、コストと復旧速度の両立につながります。
3. 自社対応で見落としやすい4つのコスト
3-1. 交通費・宿泊費・出張費
交通費、宿泊費、出張手当、車両費などは、出動のたびに発生します。遠方拠点では、1回の対応費用が大きくなりがちです。
3-2. 情シスの時間という人件費
移動や現地作業に費やした時間は、業務改善や企画に使えません。外注費と比較する際は、給与だけでなく、担当者の稼働時間と対応件数も含めて考える必要があります。
3-3. DX・セキュリティ対策の機会損失
トラブル対応に追われるほど、IT資産の棚卸し、脆弱性の確認、権限の見直し、業務効率化の検討が後回しになります。経済産業省も、既存システムの維持管理費がIT予算を圧迫し、DX投資を妨げる課題を指摘しています。 経済産業省「DXレポート」
3-4. 採用・教育・引き継ぎコスト
ハードウェア、ネットワーク、クラウドを幅広く扱える人材の採用は容易ではありません。保守作業を標準化し、専門会社と分担することで、社内人材をより高度な業務へ振り向けられます。
4. 外部委託を検討すべき5つのサイン
次の項目に当てはまるほど、保守体制の見直しが必要です。
- 拠点が遠方・全国に分散している
- PC、複合機、ネットワーク機器など対象が多様化している
- 受付時間や駆けつけ時間などのSLAが定まっていない
- 情シスが休めず、夜間・休日対応が常態化している
- 障害対応が記録・標準化されていない
5. 失敗しないオンサイト保守委託先の選び方
5-1. 対応エリアとSLA
「全国対応」だけでなく、各拠点への駆けつけ条件、受付時間、目標時間、対象外となる地域や作業を確認しましょう。
5-2. 技術者の対応範囲
部品交換だけでなく、OS、ネットワーク、周辺機器まで切り分けられるかを確認します。
5-3. 作業報告の品質
原因、実施内容、交換部品、再発防止策が記録されるか確認しましょう。報告データは、将来の機器更新や運用改善に活用できます。
5-4. マルチベンダー対応
メーカーごとに窓口を分けず、複数メーカーの機器を一括して相談できると、情シスの管理負担を軽減できます。
5-5. 予備機・キッティング対応
設定済みの予備機を保管し、障害時に配送・設置できるサービスなら、復旧までの時間を短縮できます。
5-6. セキュリティと情報管理
PマークやISMSの取得状況だけでなく、作業員の本人確認、入退館管理、NDA、作業ログ、リモート接続の管理方法まで確認しましょう。
6. 導入前に整理すべきこと
6-1. IT資産台帳
拠点、機器、型番、導入時期、保証状況、設置場所を整理します。情報が古い場合は、委託検討と同時に棚卸しを進めましょう。
6-2. 責任分界点
電源確認、機器交換、ネットワーク設定、業務アプリの動作確認など、どこまでを委託するかを明確にします。
6-3. 既存保証との関係
メーカー保証や保守契約が残っている機器は、外部作業によって保証条件に影響しないかを確認しましょう。
6-4. 拠点スタッフへの周知
障害時の連絡先、必要な情報、訪問時の入館手順を事前に共有すると、現場での行き違いを防げます。
7. 保守委託で期待できる変化
• 遠方拠点への移動を減らし、情シスの稼働時間を確保できる
• 対応履歴や手順を標準化し、属人化を抑えられる
• 重要機器の復旧体制とSLAを整備できる
• 情シスがDX、業務改善、セキュリティ対策に集中しやすくなる
効果は、機器台数、拠点数、契約範囲によって異なります。導入前に「出動回数」「移動時間」「復旧時間」「外部委託費」を比較し、自社に合う範囲から始めるのが現実的です。
8. よくある質問
Q1. 費用を抑えるには?
重要機器だけをオンサイト対象にし、その他はリモート、センドバック、予備機で対応する方法があります。
Q2. 小規模拠点1か所でも依頼できますか?
対応可否や料金体系は事業者によって異なります。スポット対応、一括契約、最低料金の有無を確認しましょう。
Q3. 独自システムや特殊機器にも対応できますか?
手順書や構成情報を共有し、事前検証やトレーニングを行うことで対応できる場合があります。対象範囲を契約前に確認してください。
Q4. 委託すると社内の技術力が落ちませんか?
作業を外部に任せるだけでなく、報告書、手順書、定例レビューを通じて知識を社内に蓄積する設計にすれば、むしろ運用の再現性を高められます。
まとめ:保守を手放し、情シスの価値を高める
自力オンサイト保守は、移動時間、属人化、夜間対応によって情シスの時間と経営資源を消費します。
まずは、次の数字を把握しましょう。
- 月間の出動回数
- 移動・現地対応にかかる時間
- 平均復旧時間
- 交通費・宿泊費
- 夜間・休日対応の件数
そのうえで、重要機器はオンサイト、設定や切り分けはリモート、代替可能な機器はセンドバックというように、保守を設計し直します。
そして、保守の見直しと同時に、外部接続、端末、ネットワーク、権限などのセキュリティリスクも確認しましょう。
情シスの時間を守るために、まずセキュリティの現状を確認しませんか?
障害対応に追われる状態は、セキュリティ対策の後回しにもつながります。InfiniCore株式会社では、企業の環境に合わせたセキュリティ診断を支援しています。
「何から確認すべきか分からない」「拠点ごとのリスクを整理したい」という方は、まずは診断をご相談ください。



