
SWGとは?情シス担当者必見!ゼロトラスト時代の基本をわかりやすく解説
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はじめに:そのセキュリティ対策、時代遅れになっていませんか?
「ウチはファイアウォールもVPNも導入しているから大丈夫」。数年前まで、それは情報システム担当者として自信を持って言える言葉だったかもしれません。しかし、その自信は今、もろくも崩れ去ろうとしています。
情報システム部門の皆様は、日々の業務の中で、これまでにないスピードで変化する事業環境と、それに伴うセキュリティの課題に直面しているのではないでしょうか。
テレワークとクラウド利用が当たり前になった現代のセキュリティ課題
かつて、企業のITインフラは非常にシンプルでした。社内にサーバーがあり、従業員はオフィスに出社して、守られたネットワーク(社内LAN)の中から業務システムにアクセスする。これが当たり前の光景でした。
しかし、働き方改革やDX推進の波に乗り、今やテレワークは当たり前の選択肢となり、Microsoft 365やSalesforceといったクラウドサービス(SaaS)の利用は事業継続に不可欠です。従業員は自宅や外出先など、社外のあらゆる場所から、社内のデータセンターだけでなく、インターネット上の様々なクラウドサービスに直接アクセスするようになりました。
これは、これまでのセキュリティの”常識”が通用しなくなったことを意味します。社内と社外の「境界線」が曖昧になり、守るべき対象が社内ネットワークの外側にも大きく広がってしまったのです。
「境界型防御」の限界と、今なぜ「SWG」が情シス担当者に注目されるのか
従来のセキュリティ対策は、「境界型防御」と呼ばれる考え方が主流でした。これは、社内ネットワークを「安全な内側」、インターネットを「危険な外側」とみなし、その境界線にファイアウォールやプロキシサーバーを設置して、不正な通信をブロックするというモデルです。
しかし、従業員が社外から直接クラウドサービスにアクセスする現代において、このモデルは限界を迎えています。例えば、テレワーク中の社員が自宅のネットワークから危険なWebサイトにアクセスしてマルウェアに感染した場合、従来の境界型防御では検知・防御することが困難です。
こうした課題を裏付けるように、サイバー攻撃の脅威は年々深刻化しています。
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の観測によると、2023年に観測されたサイバー攻撃関連の通信の総数は約6,197億パケットにのぼり、2015年と比較して9.8倍に増加しています。
このような状況下で、情報システム担当者の間で急速に注目を集めているのが、今回ご紹介する「SWG(セキュアWebゲートウェイ)」です。
SWGは、従来の境界型防御の弱点を克服し、ゼロトラストセキュリティを実現するための重要なコンポーネントです。この記事では、SWGとは何か、その基本から導入のメリット、製品選定のポイントまで、情報システム担当者の皆様が知りたい情報を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。
「最新のセキュリティ動向についていけていない気がする」「今の対策で本当に十分なのか不安だ」。もし少しでもそう感じているなら、ぜひこの記事を最後までお読みください。
SWGとは?ゼロトラスト時代の基本をわかりやすく解説
それでは、本題である「SWG」について詳しく見ていきましょう。専門用語も出てきますが、一つひとつ丁寧に解説しますのでご安心ください。
SWGとは、Secure Web Gateway(セキュアWebゲートウェイ)の略称です。ひと言でいうと、「ユーザーがインターネット(Web)にアクセスする際の通信をすべて仲介し、セキュリティチェックを行うことで、危険なWebサイトへのアクセスやマルウェア感染などを防ぐ仕組み」のことです。
従来のプロキシサーバーが単なる「中継役」だったのに対し、SWGは高度なセキュリティ機能を備えた「賢い検問所」とイメージすると分かりやすいでしょう。
SWG(セキュアWebゲートウェイ)の基本的な仕組みを図で理解
SWGの仕組みは非常にシンプルです。
- 社員がPCやスマートフォンから、特定のWebサイトを閲覧しようとしたり、クラウドサービスを利用しようとしたりします。
- その通信は、直接インターネットに向かうのではなく、必ずSWGを経由します。
- SWGは、その通信内容(宛先URL、送受信されるデータなど)をリアルタイムで検査します。
- 検査の結果、安全だと判断された通信のみが許可され、ユーザーは目的のWebサイトにアクセスできます。
- もし、アクセス先が危険なサイトだったり、通信内容にマルウェアが含まれていたりした場合は、SWGが通信をブロックし、ユーザーを脅威から守ります。
この仕組みにより、社員がオフィス、自宅、外出先のどこからインターネットにアクセスしても、常に一貫したセキュリティポリシーを適用し、安全なWebアクセスを確保することができるのです。
これだけは押さえたい!SWGが持つ4つの主要機能
SWGは、安全なWebアクセスを実現するために、様々なセキュリティ機能を統合的に提供します。ここでは、特に重要となる4つの主要機能をご紹介します。
機能1:URLフィルタリング - 危険なサイトへのアクセスを未然に防ぐ
これは、アクセスしようとしているWebサイトのURLを、SWGが持つデータベースと照合し、危険なサイトへのアクセスをブロックする機能です。
- フィッシング詐欺サイト
- マルウェアを配布するサイト
- アダルトサイトやギャンブルサイトなど、業務に不要なサイト
こうしたサイトのカテゴリごとにアクセスを制御することで、情報漏洩やマルウェア感染のリスクを低減するだけでなく、従業員の不適切なWeb利用を防ぎ、生産性の向上にも繋がります。
機能2:アンチウイルス/マルウェア対策 - Web経由の脅威をブロック
Webサイトの閲覧やファイルのダウンロード時に、コンテンツをスキャンしてウイルスやマルウェアが含まれていないかをチェックします。
たとえ一見安全に見えるWebサイトであっても、改ざんされてマルウェアが仕込まれている可能性があります。SWGは、Webトラフィックをリアルタイムで検査し、悪意のあるコードやファイルが社内ネットワークや端末に侵入するのを水際で防ぎます。
機能3:アプリケーション制御 - 許可されていないサービスの利用を制限
近年、便利なクラウドサービス(SaaS)が増える一方で、情報システム部門が把握していないサービスを従業員が勝手に利用してしまう「シャドーIT」が大きな問題となっています。
SWGのアプリケーション制御機能を使えば、どのアプリケーションの利用を許可し、どのアプリケーションを禁止するかを細かくコントロールできます。例えば、「ファイルストレージサービスは会社契約のものだけ許可する」「特定のSNSへの書き込みは禁止する」といったポリシーを適用し、シャドーITによる情報漏洩リスクを管理することが可能です。
機能4:サンドボックス - 未知の脅威を安全な環境で検知・分析
サンドボックスとは、社内ネットワークから隔離された「砂場(Sandbox)」のような仮想環境のことです。
ダウンロードしたファイルなど、不審な挙動を示す可能性があるものを、まずこのサンドボックス内で実行してみます。そこでマルウェアとしての活動(不正なファイルの作成、外部への通信など)が確認された場合にのみ、そのファイルを脅威と判断してブロックします。
これにより、従来のパターンマッチング型のアンチウイルスでは検知できない、未知のマルウェア(ゼロデイ攻撃)にも対抗できるようになります。
これらの強力な機能を一つのプラットフォームで提供するのがSWGです。次の章では、多くの情シス担当者が疑問に思うであろう「従来のプロキシサーバーとの違い」を、さらに詳しく掘り下げていきましょう。
【徹底比較】従来のプロキシサーバーとSWGは何が違うのか?
「Webアクセスの通信を中継するなら、昔からあるプロキシサーバーと同じでは?」と感じる方も多いかもしれません。確かに、通信を代理で行うという基本的な役割は似ていますが、その機能と目的は大きく異なります。
ここでは、情報システム担当者の視点から、従来のプロキシサーバーとSWGの違いを3つのポイントで徹底比較します。結論から言うと、現代のセキュリティ要件を満たすためには、SWGが圧倒的に優れています。
比較ポイント | 従来のプロキシサーバー | SWG(セキュアWebゲートウェイ) |
|---|---|---|
セキュリティ機能 | 限定的(主にURLフィルタリング、キャッシュ) | 網羅的・高度(URLフィルタリング、アンチウイルス、サンドボックス、アプリケーション制御、情報漏洩対策など) |
クラウド対応 | 主にオンプレミス。クラウド時代のトラフィック増に対応しにくい。 | クラウドネイティブ。場所を問わず利用でき、パフォーマンスの劣化が少ない。 |
可視性とログ管理 | 限定的。ログの分析やレポート作成に手間がかかる。 | 高度な可視化。誰が・いつ・どのWeb/アプリにアクセスしたかを詳細に把握。レポートも容易。 |
比較ポイント1:セキュリティ機能の範囲と精度
従来のプロキシサーバーの主な役割は、Webアクセスの高速化(キャッシュ機能)と、簡易的なURLフィルタリングでした。セキュリティ機能はおまけ程度で、近年の高度化・巧妙化するサイバー攻撃を防ぐには力不足です。
一方、SWGはセキュリティを第一の目的として設計されています。前述した4つの主要機能(URLフィルタリング、アンチウイルス、アプリケーション制御、サンドボックス)に加え、個人情報や機密情報のアップロードを検知・ブロックするDLP(Data Loss Prevention)機能などを統合的に提供します。これにより、多層的な防御を実現し、Web経由のあらゆる脅威から組織を守ります。
比較ポイント2:クラウド対応とパフォーマンス
従来のプロキシサーバーは、その多くがオンプレミス(社内設置型)のアプライアンス製品でした。全社員がオフィスに出社していた時代は、社内のデータセンターにプロキシを設置し、そこを経由させるモデルで問題ありませんでした。
しかし、テレワーク社員が増え、Microsoft 365などのクラウドサービスへの直接通信(トラフィック)が急増した現代では、オンプレミスのプロキシに通信が集中し、深刻なパフォーマンスのボトルネックを引き起こします。「VPNに繋ぐとWeb会議がカクカクする」といった経験は、まさにこの問題が原因の一つです。
対して、クラウド型(SaaS型)のSWGは、世界中に分散配置されたデータセンター(アクセスポイント)を持っており、ユーザーは最も近いアクセスポイントに接続します。これにより、通信の遅延を最小限に抑え、快適なWebアクセスと強固なセキュリティを両立できるのです。
比較ポイント3:可視性とログ管理の容易さ
情報システム担当者にとって、誰が・いつ・どこから・どのWebサイトやクラウドサービスにアクセスしているかを正確に把握することは、セキュリティインシデントの調査や利用実態の分析に不可欠です。
従来のプロキシサーバーのログは、単純なテキスト形式で出力されることが多く、分析には専門的な知識と多大な時間が必要でした。
SWGは、ユーザーごと、アプリケーションごとの通信を詳細に可視化し、グラフィカルなダッシュボードで直感的に状況を把握できます。不審な通信の検知や、シャドーITの利用実態レポートの作成なども簡単に行えるため、ログ管理と分析にかかる運用負荷を大幅に削減できます。
このように、SWGは単なるプロキシの進化版ではなく、クラウドとテレワークが前提となった現代の働き方に最適化された、全く新しいセキュリティソリューションなのです。
情シス担当者が知るべきSWG導入の3大メリット
SWGの機能やプロキシとの違いを理解したところで、次に気になるのは「実際に導入すると、自社にどのような良いことがあるのか?」という点でしょう。
ここでは、情報システム担当者の視点から、SWG導入がもたらす3つの大きなメリットを、具体的な業務シーンを交えながら解説します。
メリット1:場所を問わない均一なセキュリティポリシーの実現
これはSWGがもたらす最大のメリットと言えるでしょう。
【よくある課題】
「オフィスにいる社員はプロキシで守られているが、テレワーク中の社員のセキュリティは、各自宅のネット環境やPCのウイルス対策ソフト任せになってしまっている。セキュリティレベルにバラつきがあり、管理も煩雑だ…」
クラウド型のSWGを導入すれば、全てのWebアクセスが必ずSWGを経由するようになります。これにより、オフィス勤務の社員、テレワーク中の社員、さらには出張先の営業担当者まで、働く場所に関わらず、全社員に同じセキュリティポリシーを強制的に適用できます。
「特定の危険なカテゴリのサイトは全社的にアクセス禁止」「個人利用のクラウドストレージへのファイルアップロードは禁止」といったルールを一度設定するだけで、それが全従業員に適用されるため、セキュリティガバナンスを飛躍的に向上させることができます。
メリット2:情報漏洩やマルウェア感染リスクの大幅な低減
SWGが持つ多層的なセキュリティ機能は、Web経由の様々な脅威から企業を守り、事業継続性を高めます。
【架空ケーススタディ】
中堅メーカーの情報システム担当者Aさんは、最近急増しているEmotetなどの標的型攻撃メールに頭を悩ませていました。全社に注意喚起をしても、うっかりメール内のURLをクリックしてしまう社員が後を絶ちません。
SWG導入後、ある日、経理部の社員が受信した巧妙な請求書偽装メール内のURLをクリックしてしまいました。しかし、そのアクセスはSWGによってブロックされました。SWGがURLの遷移先を危険なマルウェア配布サイトだと判断したのです。ユーザーの端末にマルウェアが届く前に通信を遮断したため、感染の危機を未然に防ぐことができました。Aさんは管理画面のアラートでこの事実を即座に把握し、対象社員へのヒアリングと再教育を行うことができました。
このように、SWGはヒューマンエラーによるインシデント発生のリスクを技術的にカバーし、企業の重要な情報資産を守ります。
メリット3:煩雑なプロキシ管理からの解放と運用負荷の軽減
日々の運用に追われる情報システム担当者にとって、このメリットは見逃せません。
【従来のプロキシ管理の悩み】
- オンプレミス機器のハードウェア保守、障害対応が大変…
- OSやソフトウェアのアップデート、パッチ適用作業に時間がかかる…
- トラフィックの増加で性能が限界に。機器のリプレース計画と予算確保が悩みの種…
- URLフィルタリングのポリシー変更など、細かい設定作業が面倒…
クラウド型のSWGを導入すれば、これらの悩みから解放されます。インフラの運用・保守は全てサービス提供事業者(ベンダー)に任せられるため、情シス担当者は面倒な機器管理から解放され、より戦略的な業務(セキュリティポリシーの策定やインシデント分析など)に集中できるようになります。
Webベースの管理画面から、ポリシーの変更やログの確認がいつでもどこでも簡単に行えるようになる点も、運用効率を大きく改善するポイントです。
ゼロトラスト実現の要!SWGと関連ソリューションの関係性
最近、「ゼロトラスト」という言葉を耳にする機会が急激に増えたのではないでしょうか。SWGは、このゼロトラストセキュリティを実現する上で、非常に重要な役割を担います。
SWGはゼロトラストセキュリティにおける重要な第一歩
まず、「ゼロトラスト」の基本を簡単におさらいしましょう。
ゼロトラストとは、その名の通り「何も信頼しない(Zero Trust)」を前提とするセキュリティの考え方です。「社内ネットワークは安全」といった従来の境界型防御の概念を捨て、社内外すべての通信を信頼せず、アクセスのたびに必ず検証を行うことで、情報資産への脅威を防ぎます。
このゼロトラストを実現するためには、様々な要素が必要ですが、SWGはその中でも特に「インターネットアクセスの制御」という重要な役割を担います。ユーザーがどのWebサイトやクラウドサービスにアクセスしようとも、その通信をSWGが検査し、正当性を検証することで、「信頼できない」インターネット通信の安全性を確保するのです。
つまり、SWGを導入することは、ゼロトラストという大きな目標に向けた、具体的で効果的な第一歩と言えます。
(ゼロトラストモデル超入門|今すぐ始める最新セキュリティ対策の記事はこちら)
CASB、ZTNAとの連携で実現する、より強固なセキュリティ体制とは
SWGは単体でも強力なソリューションですが、他のセキュリティソリューションと連携させることで、さらに強固なゼロトラスト環境を構築できます。特に重要なのが「CASB」と「ZTNA」です。
CASB (Cloud Access Security Broker) / キャスビー
- 役割: 会社が許可したクラウドサービス(Microsoft 365など)の利用状況を可視化し、制御することに特化したソリューションです。
- 連携メリット: SWGが「危険なWebサイト/未許可クラウドサービスへのアクセス」を防ぐのに対し、CASBは「許可したクラウドサービスの中での不審な操作(例:大量のファイルダウンロード、機密情報の共有設定変更など)」を検知・制御します。この二つを組み合わせることで、Webとクラウドの両面でセキュリティを強化できます。
ZTNA (Zero Trust Network Access) / ジーティーエヌエー
- 役割: 従来のVPNに代わる、社内アプリケーションへのセキュアなリモートアクセスを実現するソリューションです。
- 連携メリット: SWGがインターネット(社外)への出口対策であるのに対し、ZTNAは社内システム(社内)への入口対策を担います。ユーザーや端末の信頼性を厳密に検証し、許可されたアプリケーションへのアクセスだけを認めるため、VPNの課題であった「一度侵入されると社内ネットワークを自由に移動されるリスク」を解消できます。
近年では、これらSWG、CASB、ZTNAの機能を統合した「SASE(Secure Access Service Edge / サシー)」と呼ばれるソリューションも登場しています。まずはSWGから始め、将来的にSASEへと拡張していくロードマップを描く企業が増えています。
(たった5分でわかるSASE入門!セキュリティとネットワークの課題をまとめて解決!の記事はこちら)
失敗しない!自社に最適なSWG製品を選ぶための実践ガイド
SWGの重要性を理解し、導入を具体的に検討するフェーズに入った情シス担当者のために、製品選定で失敗しないための実践的なガイドをご紹介します。
高機能な製品を選んでも、自社の環境や目的に合っていなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。以下のポイントを参考に、慎重に比較検討を進めましょう。
選定前に確認すべき3つのチェックポイント
ポイント1:自社の環境と働き方に合っているか(クラウド型 vs オンプレミス型)
SWGには、大きく分けてクラウド(SaaS)型とオンプレミス(アプライアンス)型があります。
クラウド型 (SaaS) | オンプレミス型 (アプライアンス) | |
|---|---|---|
メリット | ・インフラ管理不要で運用負荷が低い | ・既存ネットワーク構成を大きく変えずに導入可能 |
デメリット | ・ベンダーへの依存度が高い | ・機器の購入コスト、維持管理コストが高い |
推奨企業 | テレワーク主体の企業、クラウド利用が多い企業、情シスのリソースが限られている企業 | 特定の要件で自社内にデータを保持したい企業、閉域網など特殊なネットワーク構成を持つ企業 |
特別な理由がない限り、現代の働き方を考慮するとクラウド型が第一選択肢となるでしょう。テレワークの導入状況や、今後のITインフラの方向性を踏まえて判断することが重要です。
ポイント2:必要なセキュリティ機能は網羅されているか
SWG製品によって、提供される機能の範囲や得意分野は異なります。「これだけは押さえたい!SWGが持つ4つの主要機能」で紹介した機能はもちろんのこと、自社のセキュリティ課題に合わせて以下の点も確認しましょう。
- 情報漏洩対策(DLP): マイナンバーやクレジットカード番号など、機密情報のアップロードを検知・ブロックできるか?
- サンドボックス: 未知の脅威に対応できるサンドボックス機能は標準搭載か、オプションか?
- CASB/シャドーIT対策: どのようなクラウドアプリケーションを識別・制御できるか?
- ログの保存期間とレポート機能: インシデント調査に必要な期間のログを保存できるか?レポートは見やすいか?
複数のベンダーから提案を受け、機能比較表を作成して評価することをおすすめします。
ポイント3:運用管理のしやすさとサポート体制は万全か
導入後の運用を左右する重要なポイントです。
- 管理画面の使いやすさ: ポリシー設定やログ確認は直感的に行えるか?日本語に対応しているか?
- 導入・運用のサポート: 導入時の設定支援や、導入後のトラブルシューティングに関するサポート体制は充実しているか?(日本語対応、24時間365日対応など)
- 他製品との連携: 既存のID管理システム(Azure ADなど)や、SIEM(セキュリティ情報イベント管理)製品と連携できるか?
可能であれば、トライアル(試用)を申し出て、実際に管理画面を操作し、自社の担当者がスムーズに運用できるかを確認しましょう。
導入後に後悔しないための注意点とよくある質問
Q. 導入すると通信速度が遅くなりませんか?
- A. クラウド型SWGの場合、世界中に分散されたアクセスポイントを利用するため、パフォーマンスへの影響は最小限に抑えられている製品がほとんどです。しかし、製品や設定によっては遅延が発生する可能性もゼロではありません。トライアル期間中に、実際の業務環境で速度測定を行い、許容範囲内であるかを確認することが重要です。
Q. 既存のセキュリティ対策(ファイアウォールなど)は不要になりますか?
- A. SWGはWebアクセスのセキュリティを強化するものですが、ファイアウォールが担うポート単位でのアクセス制御など、全ての機能を代替するわけではありません。SWGは、既存のセキュリティ対策を補完し、多層防御を強化するソリューションと位置づけるのが一般的です。導入前にベンダーと相談し、最適なネットワーク構成を検討しましょう。
まとめ:SWGを正しく理解し、ゼロトラストへの第一歩を踏み出そう
本記事では、ゼロトラスト時代の基本となる「SWG(セキュアWebゲートウェイ)」について、その仕組みから導入のメリット、製品選定のポイントまで、情報システム担当者の皆様に向けて網羅的に解説してきました。
この記事で解説した「SWG」の重要ポイントのおさらい
最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
SWGとは?
- テレワークやクラウド利用が主流の現代において、場所を問わず安全なWebアクセスを実現するセキュリティソリューション。
プロキシとの違いは?
- 単なる中継役のプロキシとは異なり、URLフィルタリング、アンチウイルス、サンドボックス、アプリケーション制御といった高度なセキュリティ機能を統合的に提供する。
導入のメリットは?
- 均一なセキュリティポリシーを全社員に適用可能。
- マルウェア感染や情報漏洩のリスクを大幅に低減。
- クラウド型ならインフラ管理から解放され、運用負荷を軽減できる。
選定のポイントは?
- 自社の働き方に合わせ、クラウド型かオンプレミス型かを選択。
- 必要なセキュリティ機能が網羅されているかを確認。
- 管理のしやすさやサポート体制も重視する。
もはや、従来の境界型防御だけで自社の情報資産を守り抜くことは困難です。SWGは、複雑化したIT環境におけるセキュリティの課題を解決し、安全で快適な業務環境を実現するための、現実的かつ効果的な一手となります。
明日から始めるアクションプラン:まずは自社のWebセキュリティ課題の棚卸しから
この記事を読んでSWGの重要性を感じていただけたなら、ぜひ次のステップに進んでみてください。
最初に行うべきは、自社のWebセキュリティにおける現状の課題を洗い出すことです。
- 「テレワーク社員のWebアクセスを十分に管理できているか?」
- 「シャドーITの実態を把握できているか?」
- 「現在のプロキシサーバーの運用に、どれくらいの工数がかかっているか?」
これらの課題を明確にすることで、自社にとってSWGがなぜ必要なのか、どのような機能が必須なのかが見えてきます。
もし、課題の洗い出しや、より具体的な製品比較でお困りの場合は、専門家の知見を活用するのも一つの手です。多くのベンダーやSIerが、無料相談や現状分析のサービスを提供しています。
ゼロトラストへの道は、現状把握という第一歩から始まります。この記事が、貴社のセキュリティを次のステージへ進める一助となれば幸いです。
より詳しい情報や、貴社に最適なSWGソリューションの構成についてご興味をお持ちでしたら、お気軽に資料請求、または無料相談窓口までお問い合わせください。


